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「小次郎つばめ返し」

最強ドクター

土曜の夕方帰宅すると、『39度の熱があるので二階で寝ています。』
という旦那の書き置きがテーブルに残されていたのでありました。
相変わらずジジババちゃんのショートステイに代わる代わる体調を崩す不健康夫婦であります。
39度あってなお寒気がすると言うので、仕方なく時間外診察へ連れて行くと
外部の病院から派遣されてきたという当直医は、
『学校出たばかりのボン』というワタクシの予想を大きく外れた老医師でありました。
カルテの表面が見えづらいのか、光の反射を避けるように横から覗き込み、
書き込む手元がブルブル震えていてかなりアヤシイ。
言葉もなかなか脳から口に到達しない様子。


「咳が出て頭が痛い」という旦那の体を触診しながら、尿路感染だと思うねとドクター。
あの・・・・「咳も出てるしインフルエンザとかいう事はありませんか?」とワタクシ。
「インフルエンザは流行ってないでしょう?ん?ああ、ボツボツ出てるの?」と私に聞くなよ。
「インフル検査やったことが無いんだよね。君、出来ないの?」と看護士に救いを求めるも、
「当病院では医師が行いますので、ワタクシはちょっと・・・」と断られ、
仕方なくキッドを広げて「コレで粘膜を取った後、この溶液に・・・・・」と説明書に見入るのでありました。
その様子をバルサンを焚くんじゃないんだからと呆れてみていたら、
綿棒を袋から取り、取り出し、・・・取り・・・・出せない!
綿棒のビニールは伸びに伸び、ますます開けにくくなってまいりました。
今度は小さな溶液のアルミの封印を指で開けようと悪戦苦闘するも
中途半端に破れた封印は、指に引っかかりにくいのであります。
場所を変えながら指で、爪でひっかき剥がそうと焦るドクターは
「うちでは看護士が全部やるんだよ!ここではやらないのかね!」と逆切れ。
看護士が封印を破こうとコッヘルをアルコールで拭き取っている間に
老医師はデスクの上の鉛筆立てから錆びたハサミを取りだして、
「あ、出来た出来た」と切り破ったのであります。
15分後にインフル検査が陰性だったのは、
その間に綿棒の粘液が乾いたからじゃないだろうかと思うのであります。


「よく分からないんだよね、私は外科だから。明日また内科医師がいるときに来なさい。」とドクター。
あのパニックな様子と震える手元を見ると、
「ああ外科処置が無くて良かった」と思うのでありました。