oozy Blog

「小次郎つばめ返し」

後日談 その3

その晩、ニュースの冒頭で熱中症で死亡者が増えている事を取り上げていたので、
旦那がテレビを見ていたばあちゃんの耳元で、
「今年はクーラーを付けないでたくさんの人が死んでるんだよ。」と大声で話かけた。
全て聞こえなくても、最近はニュースのキーワードに字幕が付くから内容が掴みやすいらしい。
「この間から時々お父ちゃんが具合が悪いと寝ているけど、
 あれは暑すぎて脱水症状が出て熱中症になってるんだよ。
 暑くないと感じても、実際は部屋の温度が35℃くらいあるんだよ。
 お母ちゃんが襖を閉めないとせっかくクーラーを点けても部屋が涼しくならないから、
 お父ちゃんのためにも、ちゃんと襖を閉めてクーラーを入れて貰って。」
長い長い話も理解できたらしく、神妙な顔で頷きながら
「そうか。じゃ障子や襖を閉めないといけないね。」と義母。
どれだけ説得しても聞き入れないが、“お父ちゃんのため” は大変な威力があるのである。
やはり一生懸命伝えようとする気持ちがあれば、相手に真意が伝わるものなのだ。


最高気温県内一位を守り抜く翌日の夕方。
心穏やかな気持ちで帰宅してみると、最後まで西日の当たる義父母の部屋は、
母の部屋だけでなく、父の部屋までも全て開け放たれていたのであった。
その日、ツイッターでのワタクシ呟き

『今日もクーラー点けて全ての窓ドア全開だったらしい。
 何が彼らをそうさせるのか、ひょっとして誰かに操られてるのかもしれん。本気でわからん。』