転々
「男二人がのんびり東京を散歩するらしい」
「ほんわか切なくなるらしい」
「結構評判が良い」
「監督が三木さんだ」
「でも小ネタは少な目らしい」
などと聞いていたので、疲れた週末の深夜でも気軽に見始める事ができました。(オイ!)
どんな年代の、どんな環境で育った人にも自分の子供時代は特別な時間らしい。
何も生み出さず、ただ食べて寝て笑って泣いて走った日々は、
もう二度とやってこないんだなと実感したとき猛烈に恋しくなり、
一緒に過ごした人たちを含めて、あの退屈な日々は大事な時間だったと気がつくのであります。
どうも三木監督にとって、また三丁目の山崎監督にとって、二十世紀少年の浦沢さんにとって、
昭和を懐古する番組をつくるディレクターにとって、日本の大人達にとってもそれは“今”らしいです。
二度と戻っては来ない時間を4人の疑似家族体験を通してもう一度自分の子供時代を疑似体験できる、
そんな物語は、いつまでも浸っていたいほど温かくて安心できて気持ちがいいけれど、
「あの頃は良かった。」と恋しがる気持ちも有るけれど、
大切な時間は「あの頃」じゃなく、今まさにこの瞬間瞬間だと思うのであります。
娘もいつか振り返るだろうこの時間を、大切に過ごしたいと思います。
疑似家族で大事な時間を得た文哉(オダギリジョー)も、
多分それを抱いてまたトボトボと前へ歩き始めるんでしょうねえ。
ほんでもって勝手に演者と登場人物を重ね合わせて勝手に切なくなり、
本当に幸せになって欲しいなぁと勝手に願うワタクシであります。
しかし文哉は本当に借金だらけの大学8年生、ぼんやり、情けない設定ですか!?
にしては男前すぎるっ!!!(主観的決定)
特に冒頭、新原がいきなりアパートに踏み込んでくるシーンでは、
ちょっと前髪を上げたモジャ頭が、逆にキレイな横顔や印象的な切れ長の目を引き立たたせ、
過分にスタイリッシュイタリア艶男(古)になってしまっていて、
まったくまったくま〜〜〜たく(しつこい)ヴィジュアルに期待していなかった私にはちょっと意外でした。
映画的、ストーリー的にはそれが良いのかどうか分かりませんが、ファン的にはありがとう!
(これが〆ってどうよ。)