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「小次郎つばめ返し」

その一押しが欲しかった

1ヶ月ぶりの新しい主治医は、相変わらずイケメンヒゲでした。
「その後体調はどうですか?」
主治医は顔を覗き込んで目を無理矢理合わせるのがクセらしい。
「ものすごく良いです。」と答えると、
「あらら…。じゃ、手術は今まだ要らないかなー?」
と簡単にひっくり返されても患者は素人なので決めようが無いです。
先月からの両主治医のこの言葉に揺れ揺れ。
「した方がいいのか、しない方がいいのか?正直どうなんでしょう?」
とズバリ聞いてみました。
「メリットデメリットで考えてみると、手術をしないと言うことは栄養剤と薬のみの生活になるので、
 『食わずにやってられっかー!』と思えば手術をした方がいいし・・・。」
今すぐ命に関わると言うわけでは無いので、どことなく主治医の口調ものんびり。
「食べないのは慣れているので平気なんですが、一番イヤなのは思わぬところでお腹がぐーっと鳴ることなんですよ。
 手術で細くなった所を切ってしまえばマシになりますか?」
細くなった腸の一部を水分や空気が通過するときに鳴るピッコロの音色のように高く澄んだ音は
周りにとても響いてしまう・・・ような気がする・・・。
「『お腹が鳴るから手術をする』というのは初めてですが・・・」
と、大笑いしていた主治医は私の方に向き直り、もう一度顔を覗き込むと
「じゃあ、そういうことを抜きにしても正直に言うとこの細さだと
 いつかは腸閉塞になる可能性があるので、体調の良い時期に手術をすることをオススメします。」
それだ!その言葉を待っていたのだよ!ドクターイケメンヒゲ!
「はい、分かりました!手術しましょう!」
と、ドクターの言葉が終わらないうちにブンブンと同意した私。
手術をした方がいいかな〜とは思っていたけれど、開腹するというデメリットを考えると
「お腹が鳴る」では決め手が弱くて、やります!と積極的に踏み切れなかった私は、
ドクターの背中一押しを実は待っていたのであります。