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「小次郎つばめ返し」

女は強い

前回のたった10日間の私の入院で、義父母の介護を任され精も根も尽き果てた旦那が、
来る長期入院を前に義母だけでもショートステイにお願いしたいと言うので、
ちょっと前からケアマネージャーさんと相談し、義母を上手く説得して貰うことになっていた。
取りあえず本番を前に明日明後日と1泊2日でお試しお泊まりを実施することとなったが、
義母は「それもいいかもね。」と案外スルリと事態を受け止めてくれ安心。
最近痴呆症状の入ってきた義父と2人だけで日中過ごすのが心細かったのかもしれない。
「7月の本番の時はお父ちゃんも一緒に行くんでしょ?」と問うので、
『ばあちゃんだけ手が掛かるのよ』とは言えないけど、
やっぱり一人だけショートステイに入っていうのはショックなんだろうなと思いつつ
「お父さんは耳も目も悪いから場所を変わると大変だと思うんですよ。」
と慎重に言葉を選んでいると、
「私、お父ちゃんと一緒の部屋にして貰っても世話はできないから。」
とむしろ一緒に行くことを避けたい様子。
「最近夜中に何度も『今何時か?』と起こされてゆっくり寝られなかったんよ。
 明日は泊まりの用意しなくちゃね。食事はどんなかね。」
気のせいか弾んで見えたのだった。