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「小次郎つばめ返し」

入院生活つれづれ2

入院中の患者にとって「検査」と「点滴」は2大苦痛ですが、
この点滴が上手い人と下手な人がいるということ自体が、
経験を重ねてきた患者にとって苦痛なのであります。
針が上手く刺さらず何度も刺し直しされるのは、
特殊な人以外、喜ぶ人はあまりいないと思われます。
液が漏れ、針を刺し直すことになったある日、
看護士さんは私の腕を握って、裏表、表裏とくまなく観察しておりました。←すでにイヤな予感
「う〜ん、出てないですねえ。」
「え・・・。こ、ここなんかどうですか?」と提案してみる私。
「ここは血管が曲がってるんですよ。」
私の腕をゴムチューブで結び、ビシビシ叩きながら
「一度やらせてもらっていいですか?」
いいわけないけど、ダメって言えないじゃん!
「あ、やっぱダメか・・・。」とゴムチューブを違う腕に結び換える看護士さん。
「もう一回やらせてもらって、ダメなら他の人に変わりますね。」
自信がないなら今すぐ変わってくれ!!・・・とは言わない。
これも日本の医学の向上に必要なことなのだ。
人材育成のために大人は暖かく見守らなければならない。
しかし私の寛大な気持ちを裏切り、彼女は私の腕に新しい青あざを残したのでした。
次に来た「点滴の上手い」と思われる看護士さんはちょっと余裕ありげ。
「ここ、どうかな・・・」
差し込まれた針をグッグッと何度も押し込むたびに痛みがあるけど、
騒がない私は大人なのだ。
「変だな〜。確かに入ってるんですけど・・・。」
針の先から溢れる血を見て、『これ以上血を減らさないでくれ』と祈る私。
またもや2度のトライに失敗した彼女は廊下に出るなり、
「うわ〜〜ん、ダメだった〜〜!」とバタバタと走って行ってしまったのであります。
バカタリ!!うわ〜〜ん!!な気持ちは私の方なのだ。
とうとうお出ましになったのは婦長さん。
もうこの老眼の年代の女性に任せるしかない!
彼女は私の手の甲の細い血管に見事に刺してくれたのでありました!
全国の看護士さんが患者に与える苦痛と恐怖を知り、
点滴の練習を100%の成功率を目指して頑張って欲しいと思うと同時に、
手術室で若い医師が
「うわ〜〜ん!ダメだった〜〜〜!!」とならないよう願わずにいられないのでした。