oozy Blog

「小次郎つばめ返し」

ブロークン・フラワーズ

実はジム・ジャームッシュの映画は初めて・・・ぐらいのビギナーです。
オダギリ氏が好きな監督だという以外、何の知識も情報もなく見ましたが、
こりゃまた迷惑な男ですねえ。
花束持ってある日突然昔の男がフラリと現れたら、
もう銃を向けられたくらいの身動きの取れ無さ、
息を凝らしてジッと相手の出方を見るしかありません。
しかし訪ねられた当の女性達は戸惑い、突き放し、怒りつつも
顔や体にみるみる女性ホルモンを充満させます。
この今は生気がなく煮え切らない男(ビル・マーレイ)との恋愛が
楽しいものだったにしても、苦しいものだったにしても、
瞬時に当時の感情に戻れるくらい、
彼女たちにとって特別なものだったんでしょう。
彼女たちの人生を引き受ける気持ちもなく、
親だと息子に名乗り出て何某かの責任を負うのも躊躇われ、
でも逢いたい気持ちも捨てられず流れに身を任せ、なすがまま、
受身で前にも後ろにも進まず、感情も表さないダメダメ男なのに
男女問わず何故だか構いたくなるチャーミングな男。
本当にはた迷惑な男のちょっと切ない話でした。