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「小次郎つばめ返し」

inside:オダギリジョー vol.2

<プレミアムライブのVTR>
座ったまま上体を揺らし、ギターを弾くオダギリ氏のシルエット。
ライブのレポを読ませていただいたようにギターだけ音が合ってない様に聞こえますが、
BLACK&WHITEを聴いた感じからすると、このちょっとした音のズレによる居心地の悪さは
オダギリ氏の「狙い」かもしれません。(人は盲信という)
ドラムの前辺りに居るはずなんですが、カメラが引くとどこにいるのかさえ分からず、
うわさに聞いたダンシングマンが世にも稀なダンス(か、どうかも疑わしい)を披露しています。
オダギリ氏の数少ない親友ヤマダ君だという話も聞きましたが、確信が持てません。
客席の人影からは『どっちを見れば正解なんだ!?』と戸惑いを感じます。


「あのー全部スタンドで立ってギューギューに入れると1500人くらい入る箱なんですけど、
 ギューギューに入れてノリノリで聴かせる音楽をやってないから、
 座ってのんびりお酒でも飲みながら見て貰いたい、まぁヌル〜ク居てほしいと、見てる側に。」
オダギリ氏の思惑とは裏腹に、会場にはなんとなく緊張感さえ感じます。
時効警察と言い、“ヌル〜ク”は今年のオダギリ氏のテーマかもしれません。
「ライブといえども実験音楽の即興演奏をメインに持っていきたかったんで、
 ほとんどが即興だったんですよ。たま〜にボーカルが出てくるっていうライブにしたかったんで・・・。」
演技と同じようにその場に生まれる気持ちの表現が大切だということでしょうか。
「即興をテーマにすると、特に音楽に興味のない人が役者オダギリジョーを求めて来られた場合
 絶対的に飽きると思って、それで1つは映像を、1つは生の人間がどれだけ音楽に対して
 表現できるかっていうその2つで構成して見ようと思って、
 ダンスと映像と演奏という、どこを見ても2時間だったら楽しめるかなという、
 そう言う作りにしてみだんですけど・・・・・。」
ファンサービスだったのかっっ!!!!????
・・・・・・・・・・と、ツッコミが出来ないほど、キラキラお目目で真面目に答えるオダギリ氏。
まあ本来の目的を果たしたかどうかは別として、気持ちだけは大変嬉しいです。


<CDアルバムの発売について>
「一つは暇だったんですよ。役者の仕事が無いときに今だと思って・・・・」
えっ!そうでしたっけ?ドラマや映画出演、映画製作もやってたじゃないですか。
「本当はレコーディングとか1年2年くらい前に終わってたんですよ。
 もっと早めに出せたんですけど、役者の方が忙しくて・・・・。」
ライブ映像の曲は“HAZARD”。
「園子音という映画監督の作品タイトルなんですけど、撮影が終わりに近づいたときに、
 園さんにオープニングの曲考えてきたんですけどってデモを聴かせたんです。
 そしたら園さんも気に入ってくれたんでしょうね。使ってくれるってことになって・・・・。」
園さんはオダギリ氏がデモを持って乗り込んできたって言ってましたが。
普段はどちらかというと前面に出るのを嫌い引いた感じがするのに、
自分のやりたいことに対しては驚くほど大胆で積極的になるんですねえ。


「ぼくが作った短編のオープニングとエンディングに流れるのがこの曲なんです。」
ライブの“バナナの皮”はCDよりお互いの楽器が絡んで調和して聞こえ、なんとも気持ちがいいです。
客席も水槽の中の海草のように音に身を任せ、ユラユラと揺れています。
「3人の男が廃墟なのか1つのスペースに何かを終えて帰ってくるんですけど、何か失敗したんでしょうね。」
箱の外からその様子を覗いてるみたいに客観的に映画の内容を話すオダギリ氏。
オダギリ氏の頭から出てきた男達は完全に飛び出して、
すでにオダギリ氏とは関係なくそれぞれの人格を持っているようです。
「罪のなすりあいをするんです。で、そのまんま終わっていくだけなんですけど・・・・。」
クックックと肩を揺らして可笑しそうに笑うオダギリ氏。
「これはもう確実に映画が出来て、こういう音をつけようと思って作った音楽ですね。」
アルバムの“バナナの皮”はそれぞれの楽器がリズム違うし、音も全く絡むことなく進んでいきますが、
まさにこの映画の主題を表しているようです。
つづく