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「小次郎つばめ返し」

「あおもり映画祭」ATVニュースワイド

ニュースのワンコーナーとしては6分少々もあり、
地元で相当大きなニュースだったことを伺わせます。
アナウンサー2人の画面からVTRに切り替わると、
海岸べりの防波堤が見える場所で、車から降りたオダギリ氏が
映画祭のスタッフに丁寧に会釈をしつつ会場に向かう様子が映し出されました。
「こっち向いてー!ジョー!!」
という大きな女性ファンの声で一旦CMに。
<CM後スタジオ>
先ほどの会釈をするオダギリ氏の後ろ姿の画像をバックに立つアナウンサー2人。
「映画の祭典『あおもり映画祭』が先日の18日から今月17日まで開催中なんですけども、
 みなさん脚を運ばれました?」とにこやかな男性アナ。
「今年は初めてむつ市でも上映会が開かれました。
 その上映会に今、俳優として最も輝いていますオダギリジョーさんが阪本順治監督と一緒に来てくれました。」


《VTRーむつ市中央公民館会場前 6/25》
ナレ『映画ファンによる手作りの映画祭「あおもり映画祭」。
 14回目を迎える今年、初めて映画館のない町むつ市でも開催されました。』

えっ!!!市なのに映画館が無いんですか!だから会場が公民館なんですねえ。
公民館の周りは海と山と空き地も見えるのどかな風景が広がっています。
ナレ『むつ市中央公民館では朝から異様な熱気に包まれていました。』
会場前にはその土地にちょっと不似合いなオシャレをした女性で一杯です。
分かります分かります。オダギリ氏に会いに行くんですから。
対面で話をするワケじゃなくても精一杯のオシャレはしたくなりますよねえ。
ナレ『上映される3本のうち1本「この世の外 クラブ進駐軍」に出演した、
   人気俳優オダギリジョーさんの舞台挨拶があったからです。』

会場前で待つ女性ファンにインタビュー。
「カッコイイところが大好きです!」「すごいドキドキします!」
「雰囲気・・・かなぁ?独特の。」「顔が好みです。」
「とにかく上から下まで凝視して帰りたいと思います。」
それぞれの興奮度が伝わってきます。
ナレ『会場にはいることが出来たのは2,500人の応募の中から、
   抽選で選ばれたわずか350名。』

会場は一番後ろからでもはっきり顔が見えそうです。
小さなステージに折り畳みイスが3つ。
ステージ上に阪本監督に続いてオダギリ氏が現れると
うわー!!という悲鳴混じりのすごい歓声と共に会場は一気にヒートアップ。
あまりの盛り上がりに監督を目を合わせて照れくさそうなオダギリ氏は、
この日、タイトな黒っぽいスーツとカンヌの時に被っていた帽子に形の似た黒い帽子という出で立ち。
オダギリジョーを引率してきました。」
阪本監督の言葉で会場は大爆笑。
監督の向こうで前に手を合わせ、やや背中を丸め身を縮めて立つオダギリ氏。
「こんにちは、オダギリジョーで・・・・・」
最後まで言わないうちに会場から「こんにちはー!!」と勇気ある元気な女性の返礼があり、
口元に手を当ててビックリのオダギリ氏。意外にも嬉しそうです。
「映画は去年公開されまして、撮影はもうほぼ2年前という、ボクの中でもかなり思い出深い作品です。」


《クラブ進駐軍のVTR。ハッピーでピースを叫び中》
「最初に監督とお会いした時に写真集を見せて頂いたんですよ戦争孤児の。
 その子供たちがすごく幸せそうな顔をしてたんですよ。」
オダギリ氏のコメント中、カメラは何故か足元の黒いとんがりエナメルシューズをドアップで撮し中。
「時代は貧しいんだけど、人々の心は貧しく無かったんだなーというのを感じて、
 自分の役もそれに近い部分を感じてたんで・・・・。」
ナレ『5月にフランスのカンヌ映画祭でレッドカーペットを
   歩いてきたばかりのオダギリさん。
   実は日本の地方の映画祭の参加は初めてです。』

《舞台挨拶後、メディア向けに設けられた会見にて》
「正直こっちの方がいいです。単純にボクが思う映画祭っていうのは、
 いろんな人がいろんな映画を好きなときに見れたり、
 そういう映画との距離がグッと縮まる場所であって欲しいんですけど、カンヌにはそう言うことがないんで。
 ホントに小さな・・・・小さなって言うのもアレですけど、もっとこう密着感のある映画祭の方が好きですね。」
ちょっとフォローするオダギリ氏ですが、真剣な表情と丁寧なコメントを聞けば、
この映画祭をとても気に入っている様子が分かります。
「走ろう!前に出よう!っていう俳優さんが多い中で、彼はしっかり止まってるって気がするんですよねぇ
 自己主張が無いって言う意味ではなくて、自分のことがよくわかっている俳優さんで、
 彼に影響を与えるのは彼自身という気がします。」
オダギリ氏の魅力について語る阪本監督の横でうつむいたまま聞いていた本人は笑いつつ
「よく見てる人だなーと思いますね・・・・はい。」
と照れくさそう。
「飲んでると分かるのよ。」という監督の言葉は2人の親密度を伺わせます。
「監督のある種のキビシサというものが役者である僕らを大いに奮い立たせるんですよ。
 生半可な芝居で許して貰える監督じゃないんですよね。」


阪本監督があおもり映画祭のゲストとして過去4回参加したことや、青森を舞台に映画を撮ったこと、
「青森でリセットされ、東京に戻る」という監督の言葉に触れ、
オダギリ氏のとっても青森がそういう場所にそうなって欲しいとナレーション。
映像は花束を持って車に乗り込むオダギリ氏。
ソフトフィルターの掛かったスロー映像のオダギリ氏は王子様風味で、つい吹き出してしまった私。
「みなさんの映画に対する愛情と映画祭に対する愛情をすごく感じることが出来て・・・・・。」
というオダギリ氏の選んで選んで発したコメントに誠実なものを感じ、グッときていると、
画面は再び先ほどの舞台挨拶の映像に変わり、
「まあ、むつはそうですね・・・・・一生来ないかもしれないですけど・・・」
感動を吹っ飛ばすオダギリ氏らしいブラックコメントに大爆笑の会場内。
その反応にものすごい笑顔のオダギリ氏は
「いや、また来ま〜す!」と言い直し、今度は笑いと拍手を会場からもらっていたのでありました。


世界中でインタビューが配信されるカンヌ映画祭であろうと、
その地域でしか放送されない地方の映画祭であろうと、
まったく変わらず誠実にインタビューに答えるオダギリ氏に
心が温かくなる地方人のワタクシでございました。
おわり