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「小次郎つばめ返し」

オダギリジョーの韓国絵日記 その4

午前10時。眠そうに目を擦りつつ、エレベーターに乗り込むオダギリ氏。
あまり興味はなさそうですが日韓協同のワールドカップ直前と言うことで
建設されたばかりのサッカースタジアムへ行くことになりました。
一応レポーターの役割を果たしておこうというとこでしょうか。
案内はギョウヨンさんで彼女の友人が急遽車を出してくれることに。
どこまでもお騒がせなトラベラーズです。


後部座席から外の景色を眺め
「うわー!すごいねえ、うっわーすごいすごい。」と繰り返すオダギリ氏。
んーーーそれじゃ、ホントに一般旅行客ですよ。
「うわー!トラックだよ!!」
・・・・・・・・・・・・・め、珍しいか・・・???
本気かどうか分からないオダギリ氏のリアクションに笑い出すサンチュ君。
車は「独立門」の前を通過。
「いいねえ。どの国にも歴史があるわけですよ。何千年もかけてる歴史がね。」
オダギリ氏はうっすら頭が眠ってるくらいの方がいいコメントが出てくるようです。
案の定車でウトウトし始めるオダギリ氏。
次ぎに目を開けたとき、目の前にそびえ立つ巨大スタジアムに息を飲み、
「うっはー!!デケエなぁー!」思わず感嘆の声をあげるオダギリ氏。今度こそちゃんと目が醒めたようです。
「ここがワールドカップスタジアム。400人収容できるという・・・・」
オイオイ!真面目な顔でコメントするのは止めてくださいよ!
「ちっせーなぁ!」
というサンチュ君のツッコミがなかったら、この巨大スタジアムの中に400人が
一人6畳くらいずつスペースを貰って、ゆったり観戦するのか!?と思っちゃうじゃないですか!
(まあ、そんなワケないけど)
実際は65,000人収容だそうです。我が村が65個分入ります。
興味無いと言いつつ、いざ建物にはいると「スゴイっすよ!うわー!」と子供のようにはしゃぐオダギリ氏。
目を瞑って韓国の気を感じとろうとするのか、ちょっと天を仰ぐ仕草。
「日本と韓国同時にね、一緒に力を合わせて頑張るこのサッカースタジアム。
 韓国の気合いが入っているのが感じますよ。」
うん、そうか。ワールドカップどうこうより、近くて遠いこの隣国同士が1つの目標に向けて力を合わせ、
ということにオダギリ氏の気持ちが動いているようです。
「直に見るとね、ワールドカップ、もうすっごい応援したくなるよね。
 そんなサッカー詳しくないけど、すっごい応援したくなる。
 やっぱね、韓国とね日本がねもっともっと親密にね。ほんとに思うね。」
上手く言葉に出来ないものの、気持ちが強く伝わってきます。
感想と言うより期待というより「願い」に近く、友人達がいる韓国に思い入れが強いことを伺わせます。
本当にこの国が大好きなのね。
先日の訪韓でもらした「好きな国だから自分の足で歩けなくなるのは寂しい」
というオダギリ氏の言葉はリップサービスなんかじゃないんですねえ。


この日最後に訪れたのは伝寺洞(インサンドン)。アートストリートだそうです。
「ペイント画材とかボクの興味のある民謡とか古い資料とかを買いたいと思います。」
本当にいろんな事に興味があるんですねえ!オダギリ氏の好奇心はブラックホール並ですよ。
時々露店や小物店を冷やかしつつ、散策を自由に楽しんでいるようです。
通訳の和久井さんに勧められて「どうも〜カムサハムニダ〜ありがとうございますぅー。」と
普通に韓国語と日本語で屋台のおじさんと会話しつつ購入したのは、
ポンテギ」というカイコのさなぎ。
・・・・・く、く、食うですか?コレッ!!!!!
BARFOUTのインタビューで触れていた「煮た虫」ですね。
「じゃ、オダギリさんお願いします!」
妙に嬉しそうなサンチュ君のキューサインに爪楊枝でさしたポンテギを構え、顔をしかめるオダギリ氏。
「ずーーーーっと食いたかったんでしょう?」
サンチュ君の煽りに
「・・・・・・・・・・まぁ一度は食べて見なきゃなと・・・」
決心して口に入れる顔はロボットのように無表情。
やっとひと噛みふた噛みするとたちまち顔色が変わってなんとも情けない顔に。
次ぎにカメラマンを交代してサンチュ君が試食。
無口になった2人から味の感想が一向に聞けませんが、その方が我々にとって幸せかもしれません。
「勿体ないからさあ。あの風船売ってるおじさんにあげられない?買ったばかりだし。」
なんとなく躊躇する通訳の和久井さんに「言って言って」と言う風な表情のオダギリ氏。
おじさんは戸惑いつつも人のよい笑顔で受け取ってくれました。
BARFOUTで言っていた『カップにてんこもりに入れたくれた虫』も結局一個食べただけで人にあげてしまってたんですねー。
しかも『10年前』でもなく、いかにオダギリ氏の記憶が曖昧か判明いたしました。
「(受け取って貰えて)よかったー!あのーこういうことが(民間の日韓親善)一番ですよ!」
もともとは苦手なモノをおじさんに押しつけときながら、
「いいことしたー!日韓親善に一役買ったぜ!」と都合のいい解釈で満足げな2人。
こんな調子のよい観光客に通訳の和久井さんがくすくすと笑いを漏らすのでありました。
濃い韓国の旅はまだまだつづく!