oozy Blog

「小次郎つばめ返し」

本領発揮

日曜の午後、ピアノの発表会は2時から始まる予定だが
リハーサルのために娘は1時に会場入りした。
私を見つけた5年生の保護者が静かに近づいて
「先生への花束、今年はもう間に合わないからいらないよねえ」と後ろから言う。
そういえば毎年どこから誰が用意したのか花束贈呈がコンサートを締めてていた。
聞くと毎年6年生の保護者が生徒の保護者からお金を集めて花束を買って用意しているらしい。


なんですとっ!!!!!?????6年生の保護者ーーーーーそれは私ではないか!


時計を見るとすでに1時15分。始まりまであと45分しかない。
「どうにかする!」
その保護者に言い置いて、会場を飛び出し取りあえずダメもとで地元のただ一つの花屋へ急いだが、
案の定日曜日でお休み。
焦りつつ時間を確かめると1時20分。
隣町にも一軒、花屋があったハズだが車で20分だから往復40分。始まりの時間ギリギリか・・・・・。
でも迷っている暇はない。すぐに店に電話をかけて予算とすぐ向かう旨を伝えた。
20分後、車のエンジンをそのままに店に飛び込み受け取った花束は、
白い開いた百合、蘭、小菊まで混じって葬式チックな仕上げだったが、取りあえず花束は花束だ。
車を飛ばして会場へ急ぐ私の頭の中では、娘の課題曲「タランテラ」が繰り返し鳴っていた。
2時ジャスト。会場はすでに人の出入りもなく、コンサートは始まっているらしい。
後ろのドアをソロリと開けると私の顔を認めた他の保護者達が一斉に振り向いた。
私が静かに頷くと安堵した空気が流れ、視線は舞台に戻されたのであった。
こんなことが日常茶飯事な私は「綱渡りの女」と一部で呼ばれている。